投資用不動産の購入

 現在の日本では、超低利金利が続いて、銀行の定期預金も1%以下、10年もの長期国債でさえも1%以下に留まっています。いわゆるローリスク・ローリターンです。

 一方、株式投資やFX投資は、10倍に資産を増やす可能性があるものの、あっという間に3分の1になるリスクも含んでいます。いわゆるハイリスク・ハイリターンです。

不動産投資とは

 不動産投資は、このロ-リスク・ローリターンとハイリスク・ハイリターンの中間に位置するミドルリスク・ミドルリターンにあると言えます。

 また不動産投資は、株式投資やFX投資などと違って、不動産そのものを自分の目で見て確認することができます。

 その意味では、不動産投資は素人の身近に感じられる投資の分野ということもできます。

不動産投資のメリットとリスク

(1) 不動産投資のメリット
 不動産投資では6%~10%を超えるものも存在します。また不動産投資は、株式投資のように短い期間に投資金額を損失していまうという大きなリスクを避けることができます。
ま た、経済状況が不況に至っても、アパート・マンションの家賃が大きく下がるようなこともありません。このように、不動産投資は比較的安定した投資です。

(2)不動産投資のリスク
 不動産投資は素人が入り易い分野であるものの、実際には色々なリスクがあります。このリスクを知る必要があります。
①全額ローンでの投資は注意
 頭金なしの全額ローンで不動産投資を進めることは危険です。不動産投資により、収入として毎月賃料が入ってきますが、ローンの返済があります。
 この場合に考慮すべきことは、金融状況の変化により借入金利が上昇する可能性があること、建物が古くなれば家賃が下落すること、併せて空室が増えること等です。
②不動産は流動性が低い
 株式投資であれば即日売ることも可能ですが、不動産の場合は、一度買ったものを転売(現金化)するためには、相当な日月がかかります。しかも、仲介手数料や不動産取得税、登記費用なども発生します。
③エリアと立地選択が大切
 現在の日本は、少子高齢化で若年層が減少していくとともに、就労人口も今後どんどん減少していきます。
 かつてはどのような間取りでも満室状態であったものが、今後、需要と供給のバランスが大きく崩れ、不動産投資に及ぼす影響も大きいものがあります。
不動産投資の利回りが高い方が手元に入る金額は大きくなりますが、高い利回りであればどんな物件でもよういのかというとそうではありません。 
 エリアの賃貸マーケットの需給バランスや、エリアにおける今後の需給状況と新規のアパート・マンションの供給調査等良い立地を選ぶことが大切です。
④建物の耐震性にも留意
 近年の震度7を超えるような大地震では、建物が半壊または全壊することが実際に起こっています。
 これまで建てられている建物は、昭和56年6月以降に認可されたもの(新耐震基準)とそれ以前に認可されたもの(旧耐震基準)がありますが、旧耐震基準での建物は耐震上のリスクを抱えていると考えられます。

不動産投資の対象とメリット・デメリット

不動産投資の投資対象は、大きく3つの種類に分けることができます。

(1)区分所有のマンション投資
 区分所有のマンション投資は、マンションの1室に投資するものです。
 区分所有のマンション投資の良いところは、比較的少ない投資金額で始められることです。過度な借り入れをせずにローンを組んで投資することが可能です。
 しかし、ローンの完済前に同時に複数投資しようとした場合、金融機関がこれに応じないケースが一般的ですので、一つづつ積み上げるように投資していくことが必要です。

(2)アパートの1棟物件の投資
 木造アパートは低廉な価格帯のものが多く、マンション1棟に比べて高い投資利回りを追求できるのが通常です。
 しかし、金融機関では、木造アパートに対する融資の条件を20年とみており、通常最長でも20年以上のローンを組むことができません。

(3)マンション1棟物件の投資
 マンションは木造のアパートに比べて耐震上強固で、地震大国日本においては大きなリスクヘッジとなり、金融機関からの借り入れでも、より長期間の借り入れができます。
 しかし、東京圏や大都市での鉄筋コンクリート造の投資用マンションは1億円以上のものが多く金額が高くなります。

(4)不動産投資信託(リート)
 不動産投資信託(リート)は1口数十万円程度から購入できるため、数千万円以上の物件に比べて金額的に購入しやすいというメリットがあります。
 また、リートは不動産投資でありながら、株式投資の側面も持っており、建物の維持・修繕・管理も必要がなく、その日のうちに売却もできます。
 ただし、リートはリスクが低い反面、利回りが実物不動産に比べて低いのが特徴です。また、リートでは、銀行から資金を借りて購入することはできません。